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新卒でNPOという選択!わたしの教育への思い

こんにちは!みんなのコード 広報インターンの大学3年、西岡恵理奈です!

みなさんは「NPOってどんなことをしているんだろう?」と考えたことはありますか?

私は、みんなのコードでインターンを始める前、NPOという存在は知っていたものの、実際にどんな活動をしているのかよく分かっていませんでした。でも、関わるうちにその魅力や働き方を知ることができました。

今回は、みんなのコード クリエイティブハブ事業部で働く入社5年目の釜野さんに、NPOで働くことのリアルについて伺いました!

Part1では、釜野さんの入社前後の経緯や、これまでの仕事について。Part2では、仕事のやりがいやNPOの魅力について語っていただきます。

それでは、さっそくお話を聞いていきましょう!

教育への思いと進路への葛藤

西岡:少し緊張しているのですが、今日はよろしくお願いします!まず、みんなのコードに入社するまでの経緯を教えてください。

釜野:私は、もともと「学ぶこと」に興味があり、子どもの可能性を広げる教育に関心を持っていました。大学時代には、Life is Tech !でメンターとして子どもたちと関わる中で、初めてのプログラミングに不安を感じ、「自分には無理かも」と思っていた子がLife is Tech !のキャンプを通して「できるかも!」へと変化していく姿に感動しました。この経験から、プログラミングが子どもたちの未来を広げる一つの鍵になると実感し、さらに教育に関わりたいと強く思うようになりました。

大学卒業後の進路については、大学院に進み研究をするか、実践の現場に飛び込むかで大きく悩みました。大学では、教育を専門的に学ぶ教育関係の学部ではなかったので、大学院に進学したとしても、知識や経験に大きなギャップがあることに悩み、現時点でやりたい研究ができるのか不安もありました。

そのような状況の中で、2019年の夏に参加したIT/プログラミング教育のあるイベントで、みんなのコードのことを知りました。そこで偶然、代表の利根川と話す機会があり、日本のプログラミング教育の現状や、自分が将来やりたいことについて話しました。

その後、「新しい教育が目指すべき方向性を考えるイベントがある」とお誘いいただき、CSW(Computer Science World)というアジアでのコンピュータサイエンス国際会議に、イベント運営スタッフとして参加することになりました。この経験がみんなのコードとの本格的な関わりの始まりとなり、後に入社する大きなきっかけになりました。

西岡:Life is Tech !での経験が、今のキャリアへと繋がっているんですね!!そして、子どもたちの未来の選択肢になるプログラミングの可能性を深く理解していたからこそ、進路選択に悩まれたんですね。

釜野:そうですね。今の自分ができることを考える上で、みんなのコードの事業内容に共感する部分が重なり、最終的に「この方々と一緒に働きたい!」という思いが強くなり、みんなのコードへの入社を決意しました。

新卒3年目で部下は全員年上?みんなのコードでの奮闘記

西岡:ここからは、みんなのコードに入社してからのことをきいてもいいですか?これまでと現在の仕事内容について教えてください。

釜野:2020年の4月に新卒でみんなのコードに入社し、最初はパートナー事業部に所属しました。企業との連携や業務委託、ワークショップの企画・運営を担当しながら、並行して研究プロジェクトのプロジェクトマネジメントも行っていました。

西岡:入社してすぐに、研究プロジェクトの管理までされていたんですね!どんな研究をされていたんですか?

釜野:自分でも驚きでした。2020年から、宮城教育大学附属小学校との共同研究で「コンピュータサイエンス(CS)教育」の授業の実践・研究・カリキュラム開発を行う実証研究プロジェクトを3年間に渡って取り組みました。みんなのコードにとって、共同研究は初めてでした。

西岡:共同研究というと、東京から仙台の学校を支援していたってことですか?コロナの時期でもあると思うのですが、、、どうやって支援していたんですか?

釜野:おっしゃる通り、コロナ禍だったので、オンライン中心のやり取りになり、学校現場も関わっていただくプロジェクトをリモートで進めることに非常に苦戦しました。

そこで、よりスムーズにプロジェクトを進めるために、思い切って2021年の4月仙台へ移住することにしました。頻繁に学校に足を運ぶことができるようになったことで、現場の先生方と直接コミュニケーションを取りながら、子どもたちの様子を直接みることができるようになりました。これにより、共通の会話が増え、少しずつ先生方との距離が縮まったように感じました。

西岡:オンラインだと、物理的な距離だけでなく心の距離も生まれやすいですよね。全てのコミュニケーションが難しかった中で、移住という決断、その行動力が素晴らしいですね。
ちなみに、仙台にいる間にまた部署異動があったとか??     

釜野:そうなんです。移住という決断を社員が実行できるという働き方は、みんなのコードらしさだなと思いました。実証研究のプロジェクトを進めていく中で、、次は学校教育事業に尽力したいという思いで、2022年1月に、学校教育支援部への異動を申し出ました。

そして、2030年代の日本の情報教育を推進するための活動を行う「未来の学び探究部」へ異動しました。

西岡:そして異動後は部長に役割変更されたんですよね?

釜野:はい、まさかの部長という役割となりました。これまで自分のプロジェクトを担当するだけだったところから、突然年上のメンバーをまとめる立場になりました。さらに自分の親と同じぐらいの年齢の人もいます。そんなプロフェッショナルな方々が多い中、部署の転換期に伴い、どんなチームにすればいいのか試行錯誤の連続でした。

西岡:そうだったんですね、年上メンバー相手に部長とは、戸惑うこともたくさんあったと思います。部長として、1番大変だったことや苦労したことはなんですか?

釜野:とても戸惑いがありましたし、「リーダーとしての在り方」に1番悩みました。はじめに自分ができることは、とにかくメンバーのみなさんのことを知ることだと思い、定期的な1対1のコミュニケーションや、チーム全体でのコミュニケーションに時間をかけました。一人一人の繋がりがチーム全体の働きやすさに繋がったと感じています。周りに前例がない挑戦は不安や葛藤が大きかったですね。組織としてもチャレンジングな点が多かったと思いますが、試行錯誤を重ねることで前進できた経験は、私にとって大きな財産になりました。

西岡:なるほど!いろんな工夫をされてきたんですね。子どもたちと一緒に、ゆりかさんご自身も成長し、その経験を財産にしていく姿に、私もとても刺激を受けました。

そして3回目の部署移動ですよね??2024年には、クリエイティブハブ事業部へ異動されたんですね。

釜野:そうなんです。みんなのコードで3回も部署移動しているのは私だけかもしれないです(笑)。みんなのコードが運営するもうひとつの事業である、子どもたちの居場所事業の3拠点の統括を担当しています。私自身、Life is Tech !の経験からインターン時代から学校外の「社会教育」にも興味がありました。そのため、今回の異動は、社会教育事業の部署の転換期でもあるタイミングで、異動を決めました。各拠点の持続可能な運営を目指し、各拠点や部署の仕組みづくりやチーム全体のサポート、メンバー個人のサポートなどに力を入れています。

西岡:加入時から現在まで、本当に幅広い経験をされてきたんですね!しかも、それらを自分の意思で希望されたってすごいですね。

釜野
:自分でも予想外です!色々な部署を経験することで、組織全体の仕組みを深く理解できるようになってきたと思っています。

企業ではなく、NPOだからできることは?

西岡:インターンから正社員としてNPOに入社したゆりかさんですが、進路選択において企業かNPOでそのまま働くか大きく悩んだことと思います。

ご自身が考える、企業で働くこととNPOで働くことの違いについて教えていただけますか?また、企業ではなく、NPOでしかできないことはなんだとお考えですか。

釜野:個人的な意見ですが、大きく分けて3つあると思っています。
1つ目は、子どもたちや未来の教育に直接関われることです。

みんなのコードの仕事の中で、すべての活動のブレない軸として「子どもたちのために」という考えがあります。目の前の子どもたちの成長を実感しながら、教育の未来を一緒に考えて模索する仕事ができるのが最大のやりがいです。

西岡:全ては、「子どもたちのために」ですね。その熱いパッション、すごく伝わります!教育の未来を形作る仕事の先に、子どもたちの成長を見ることができるのは一種の達成感にも繋がりますね。

釜野:2つ目は、自分で意思決定ができることです。

NPOというか、小さい組織では、上層部によって決まるような重要な決定などを自分が責任を持って実行することができれば、最後までやり遂げることができます。責任は伴う中でも、その分、自由度が高く、自分のアイデアを形にしやすい環境だと思います。

西岡:そうなんですね。自由度が高く責任も伴う一方で、その達成感は絶対にやりがいに繋がりますね。ところで、プロジェクトの企画や提案は難しくないんですか?

釜野:はい。みんなのコードでは0から1を創り出すこと、さらにその先も見据えて準備することを求められることが多いため、大きな壁にぶつかることが多いです。一方で、みんなのコードでは、「子どもから始めよう」「やってみよう」「気づきに行こう」「しくみを作ろう」の4つのバリューがあり、迷ったときはその視点に立ち戻ることができます。そのバリューを踏まえて、目的をちゃんと持つことで、年次に関係なくどんどん企画を進めることができ、難しくもありつつ、自分の自信にもつながります。

西岡:なるほど!自分のアイデアが反映しやすい環境であるほど、方向性がぶれたりしてその目的を見失いがちですが、組織として軸があるのは、大きな支えになりますね。

釜野:3つ目は、柔軟性があることです。

NPOは、決まったアプローチではなく、地域のニーズや現場の状況に応じたプログラムを提供することができます。

例えば、地域によって子どもたちの学習環境や保護者のニーズが違うので、それぞれに合わせたカリキュラムや支援方法を考えます。学校や関係者と話し合いながら、最適な方法を模索し、実行に移せるのはNPOならではの強みだと感じています。社会の変化に応じて、より良い支援ができるように柔軟に動けるのが、大きな魅力です。

西岡:たしかに、地域やそれぞれのニーズに根ざした支援を提供できるのは大きな強みですね。また、単なる一時的なサポートではなく、持続的な変化を生み出せるのも魅力ですね。ゆりかさんがおっしゃる3つのみんなのコードの強みこそが、地域との信頼関係を築き、学校や自治体との連携を深め、より効果的な支援につながりそうですね。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

インタビューを終えて

「今回のインタビューを通じて、「子どもたちのために」や「社会を変えたい」という熱意は、子どもたちに良い影響を与えるだけでなく、自分自身の可能性も広げる力になると実感しました。どの環境にいても、その熱意を持ち続けることの大切さを改めて感じました。

また、釜野さんのインタビューを通して、幅広い経験を通じて培われた挑戦を楽しむ姿勢や温かい人柄が、周囲の信頼を集める理由だと強く実感しました。しかし、それらは個人の努力だけでなく、共通のゴールを持つチームが、より良い組織をつくる原動力になるとも感じました。

私自身、目の前の仕事を「自分の仕事」として捉え、自分だからこそ取り組む価値を見出し、そこに意義を持たせる意識を大切にしたいと思います。今回の記事を通じて、みんなのコードの雰囲気や教育業界での仕事の魅力が伝わるきっかけになれば嬉しいです。

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