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てくテックすさき、Minecraftカップ2025予選に挑戦!〜子どもたちの学びと成長を支えた4年間のあゆみ〜

みなさん、こんにちは!高知県須崎市にあるてくテックすさき(以下、てくテック)で館長をしている西森です。私は普段、子どもたちが安心して利用できる施設にするための運営を行っています。てくテックに来ている子どもたちは、ものづくりを楽しんだり、宿題をしたり、友達と楽しく遊んだり、それぞれのペースで過ごしています。

今回は、てくテックに通う子どもたちが取り組んできたMinecraft(マインクラフト、以下マイクラ)の活動、そして2025年度第7回Minecraftカップへの挑戦についてご紹介します。

てくテックすさきとは

高知県須崎市にある「てくテックすさき」は2022年に開館した“地域のクリエイティブハブ”です。クリエイティブハブは、子どもたちがテクノロジーを通じて自由で創造的な活動に挑戦できる場です。PCやタブレットはもちろん、3Dプリンターやレーザー加工機などの機材があり、3D作品、イラスト、作曲、映像などの制作やプログラミングが体験できます。

私たちが運営の中で大切にしているのは、子どもたちがテクノロジーを使って「やってみたいこと」に挑戦し、学校では出会えない大人や、学校以外の友達に出会うこともできる10代のための新しい居場所を提供することです。

単にスキルを身につける場ではなく、子どもたちが主体的に挑戦し、テクノロジーを使った失敗や試行錯誤を重ねながら成長していくことを見守っています。

てくテックに来る子どもたちの中で、人気が高いのがマイクラです。来館する子どもたちの多くが夢中になっており、最初はゲームとして楽しんでいる様子だった活動も、クリエイティブモードで建築や作品づくりを続けるうちに「もっと表現したい」「仕組みを理解したい」という意欲へと変化していきました。子どもたちが取り組んでいくうちに、全国規模で開催される 「Minecraftカップ」への挑戦につながっていきました。

これまでのMinecraftカップへのチャレンジ

てくテックは、開館以来、毎年Minecraftカップに挑戦してきました。

  • 2022年度:開館と同時に初めてMinecraftカップに出場。子どもたちにとって「遊びが学びに変わる」きっかけとなりました。
  • 2023年度:第5回大会で全国大会に出場。テーマについて深く追求した調査力が評価されました。
  • 2024年度:第6回大会では地区大会に挑戦。小中高の幅広い世代が参加し、活動の裾野がさらに広がりました。

挑戦の積み重ねは、私たちにとって、そして子どもたちにとっても大きな学びの基盤となっていきました。

2025年度の取り組み

今年度のMinecraftカップのテーマは「レジリエンスを備えたまちをつくろう」です。私たちは、須崎市教育委員会 学校教育課と連携し、Minecraftカップに出場希望の子どもたちへのサポートを行いました。

特に今回は、須崎市の教育変革ビジョン「Make “IT” Fun ~キミの『好き』を楽しもう~」*1 の一環として、子どもたちが気軽にMinecraftカップに挑戦できるよう間口を広げたことが特徴です。その結果、昨年よりも多くの子どもたちが参加し、自分たちのアイデアを形にしていく姿が見られました。

  • 7月19日:Minecraftカップに挑戦したい子どもたちを対象にオリエンテーションを開催。小学1年生から高校生まで、9チームが結成されました。
  • 7月〜8月:Minecraftカップに挑戦したい子どもたちがチームで集まる日を決めて、てくテックに集まってMinecraftカップの作品作りに取り組みました。
  • 8月24日:てくテックで行われた報告会では、各チームが作品のプレゼンテーション練習をしました。

制作過程では、子どもたちがコマンドを使いながら高度な表現に挑戦し、中学生は自主的にプログラミングにチャレンジしました!学校や学年を越えて子どもたちが協働し、まちの課題解決をテーマに作品づくりを進めました。マイクラを遊び目的で利用していた子も、確実に「学びの場」へと変わっていく姿が見られました。

子どもたちの成長

Minecraftカップへのチャレンジ経験は、子どもたちにさまざまな成長をもたらしています。

  • 「遊び」から「学び」への意識の変化
  • 論理的思考力や協働する力の向上
  • 地域課題への関心を高める体験の機会
  • 学校や学年の枠を超えた共同活動
  • 調査力の向上
  • 自分たちの成果を発表する力

こうした挑戦は、プログラミングやものづくりへの意欲につながり、子どもたちの新たな可能性を広げていると思います。

その成果は、2025年度第7回Minecraftカップでも表れました。全国から 836作品(参加者2807人) が集まる中、てくテックから出場した3チームが見事予選を突破しました!

  • たてもの部門:テックすさき
  • まちづくり部門:てくテックすさき
  • まちづくり部門:レジェンド

(公式発表ページ:Minecraftカップ公式サイト)
第7回Minecraftカップ「まちづくり部門」予選通過作品発表
第7回Minecraftカップ「たてもの部門」予選通過作品発表

須崎市だからこその学び

自然豊かな須崎市では、南海トラフ地震が発生した際の津波への対応や、その他自然災害への備えが地域課題のひとつとなっています。Minecraftカップへの挑戦を通して「レジリエンスのあるまち」を構想する子どもたちの活動は、地域の防災意識をさらに高め、未来のまちづくりを考える良い学びの機会となっています。

「てくテックすさき」は、子どもたちがテクノロジーを通じて学びと成長を積み重ねる地域拠点です。マイクラをきっかけに遊びが学びへと変わり、仲間と協働しながら地域や社会課題に向き合う経験は、子どもたちの未来を切り拓く力になっていると実感しています。

須崎市の子どもたちの挑戦はまだ続きます。これからの活躍に、ぜひご注目ください。


*1「Make ”IT” Fun ~キミの「好き」を楽しもう~」
2024年9月に策定された須崎市の教育変革ビジョン。
https://www.city.susaki.lg.jp/life/detail.php?hdnKey=5238

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