みんなのコードは、2024年6月より、アラムコ・アジア・ジャパン株式会社様の助成のもと、中学・高校のSTEAM学習における教材不足解消を支援する「アラムコSTEAMチャレンジ」に取り組んでいます。
本事業は、全国で5,000名の中高生がハードウェア教材(STEAM教材)を使った授業を受けることでテクノロジーに親しみ、社会課題に取り組む力を身につけることを目指す2年間のプロジェクトです。
今回は2年間の取り組みを振り返り、中学校、高校の各学校の伴走を担当してきた、弊社千石と永野が2年間を振り返ります。
前編はこちら
AIとの共存を教育でどう伝えていくか?
-先ほどの話で、ハードウェア教材を使ってリアルとの接続を体験し、中学校、高校での連続性のある教育が必要だという話もありました。AIも進化し続けている中で、何が教育として必要でしょうか?
千石:
昨今はAIの進歩によりAIで何でもできるという印象が広がっています。でも実際はそうではないということを中学校、高校の連続性の中で学んでほしいですし、それぞれの発達段階で中学校は中学校、高校は高校の学習段階を追って1つずつ学んで足腰を強くしていくような体験や学習が必要だと感じます。それによって、AIとの二人三脚もできるようになると思うので、今回のハードウェア教材もそういうことの役に立っていけばいいなと思います。
永野:
センサがまさに現実世界とコンピュータの世界をつなぐ役割を果たしているわけです。それは今回のハードウェア教材にも色々なセンサが組み込まれていますし、AIの画像認識技術でも、実際の世界を画像として取り込むカメラというイメージセンサを使っているからできるわけです。AIをはじめとした先端技術を魔法のように捉えるのではなく、様々なセンサが人間の生活とコンピューターをつないでいるのだということを感じてほしいなと思います。
千石:また、国の施策でもIoTとかデジタル推進したいというのもあると思うので、このプロジェクトで扱ったようなハードウェア教材を使えるように整備も進んでほしいという思いもあります。
これまではIT業界やエンジニアが中心だった技術も、農業や医療など、さまざまな職業で活用されるようになっています。自動水やりの例のように、ロボットと共に働く未来はすでに始まっています。どんな職業に就いても、コンピュータのこととかネットワークの仕組みとか、基本的なことは知っていてほしいなと感じますし、そういう未来が必ず来るので、こういったハードウェア教材がITへの興味関心を持つきっかけになってほしいと思います。
実践してみての課題と今後への期待は?
-この2年間の実践を経て感じた課題と今後への期待があれば教えてください。
永野:
実感を得られるプログラミングの授業にはやはりある程度の時間が必要です。ハードウェア教材を使うと動いたり光ったりするので、実感の得やすさは確かにあります。でも、「動いた!」といった初期段階の実感だけでなく、長い時間をかけながら自分たちで試行錯誤して新しい発見や経験を積むことで、より深い実感が得られるのだと思います。普通高校では1年間しか情報の教科を学ばないことが多いのですが、「情報II」や、「総合的な探究の時間」などと連携し、充実した授業時間が確保できると、より豊富な経験と深い実感が得られるだろうと思いました。
千石:
課題を言うと、今回私たちがリーチできた40校、5,000人の生徒さんは全国にある学校の一部であって、まだ届いていないところも多いわけです。この状態をよしとせず、これからも普及活動や啓蒙活動を続けていきたいです。
また、先生たちもハードウェア教材を得たことでできる授業の幅も増えたはずなので、1年1年の積み重ねを経て、授業をさらに工夫していってほしいなと感じます。これからの3年目、4年目にまた良い実践が出てくることを期待したいです。

-これからの中学校、高校の技術や情報の授業でどんな教育が実践されていくことを期待しますか?
千石:
これからの未来というと大袈裟ですが、今回のハードウェア教材があることで、探究活動の幅が確実に広がると思います。
先ほども言った通り毎年の積み重ねでも変化していくでしょうし、それだけでなく、教科の垣根を超えた学習活動などにも活用できるはずなので、総合的な学習の時間を使うとか、理科と技術とか、社会と技術とかそういう連携がもっと生まれていけばいいなと願っています。今回応募いただいたのは主に中学・技術や高校・情報の教科担当の先生が多かったですが、いろんな教科と連携して今後教材を使っていってほしいなと感じます。
永野:
中学校の場合はこういったハードウェア教材を使って学ぶというのは割と歴史がありますが、高校については画面の中でのプログラミングが一般的なので、中学校で学んだことが高校での学習と連続していないのは一つの課題であると思います。中学校と高校の連続的・体系的な学びという意味で、ハードウェア教材を使った学習も大事であると思うので、これからもっと活用が広がってほしいなと感じます。
高校の先生を対象にハードウェア教材を使った研修を行った時、初めて扱うという先生が多かったのですが、みなさんとても楽しそうでした。生徒たちにもぜひ触らせてみたいという声も多かったです。今回のアラムコSTEAMチャレンジ採択校で実際にそのような授業が実現できたことはうれしかったです。あとは千石さんが言っていたように、情報だけでなく、各教科との連携とか総合的な探究の時間との連携とか、複数学年を通して継続したSTEAMへの取り組みができるといいですね。
2年間に及ぶアラムコSTEAMチャレンジではさまざまな実践を各学校で行い、5,000人を超える生徒に主体的な学びを提供することができました。教材提供と伴走支援をセットで届けるアラムコSTEAMチャレンジが、現場の「一歩」を後押しすることができたのではないかと感じています。このプロジェクトを通して繋がることができた先生方とは、これからも情報交換を続け、新たな実践が継続していけるよう、私たちも支援を続けていきます。
ご支援いただいたアラムコ・アジア・ジャパン株式会社様、一緒に授業を実践してくださった各学校の先生方、本当にありがとうございました。
今回ご支援いただいたアラムコ・アジア・ジャパン株式会社は、サウジアラビアの総合エネルギー・化学企業アラムコの日本現地法人です。
▶︎アラムコ・アジア・ジャパン:Where Energy is Opportunity | アラムコ・ジャパン
( https://japan.aramco.com/ )
▶︎アラムコ:Where energy is opportunity | Aramco
( aramco.com )

