こんにちは、みんなのコード未来の学び探究部・竹谷です。
私は、3月26日(火)に発売された『SPY×FAMILYワークブック アーニャとはじめてのプログラミング』(集英社刊)を監修いたしました。
先日、刊行を記念して、親子で楽しめるプログラミングイベントを開催しましたので、その様子をお届けします!
“指示通りに体を動かす” から ”実際にプログラミング”まで
今回は、ドリルの対象年齢である、年長〜小学校中学年の子ども と 保護者の皆さまにご参加いただきました。
イベントでは、まず、コンピュータになりきって指示通りに体を動かすダンスのような活動から入って気分をほぐします。続いて矢印カードでマス目の上を思い通りに動かし、プログラミングの基本的な概念をつかみます。そして最後に、「OctoStudio」というアプリを使って、スマホやタブレットでのプログラミングを実際に体験していただきました。
スマートフォンやタブレット上でアニメーションやゲームをつくれます。 写真を撮ったり、音を録音したりして、ブロックでコーディングすることができます。またプロジェクトを友達や家族に送ることもできます。
広告が表示されることもなく無料で使うことができ、写真や録音などすべてのデータは端末に保存されます。
※ OctoStudioはMITメディアラボ Lifelong Kindergartenによって開発されました。詳しくは octostudio.org をご覧ください。
テクノロジー分野のジェンダーキャップについて
私が、『SPY×FAMILYワークブック アーニャとはじめてのプログラミング』の監修を引き受けた理由のひとつに、テクノロジー領域のジェンダーギャップ課題が挙げられます。テクノロジー領域は、仕事に就いている人も、業界を目指す人も、そして教える人も男性が多くなってしまっています。
私は、過去3年間にわたり現役の小学校教員対象に実施した「プログラミング教育指導教員養成塾」の講師を担当しました。のべ2,100名を超える先生方に参加いただくことができましたが、参加者の約8割が男性教員でした。このことがきっかけとなり、テクノロジー領域における教員のジェンダーバランスに関する課題を認識し、いまでは、女性教員向けに特化したプログラミング教育の教員養成プログラム「SteP」の運営もしています。
以下に、テクノロジー分野のジェンダーキャップの観点での気づきを書いてみたいと思います。
気づき① コンテンツの力!?女の子の参加率が40%!
子ども向けプログラミングイベントは、気をつけないと参加者が男の子に偏りがちなのですが、フタを開けば、女の子の参加率が40%弱でほっとしました。監修させていただいた『SPY×FAMILY』のキャラクターの力が大きかったのかもしれません。
また、OctoStudioで作成した作品を何人かに発表していただきましたが、女の子たちも積極的に出てくれてよかったです。
気づき② インクルーシブな入り口「OctoStudio」
今回使った「OctoStudio」というアプリは、小さな子どもたちにも抵抗なく使えていました。お話づくりから入ると、女の子・男の子の好みの違いに左右されることはなかったようです。楽しめる要素がいろいろあるため、スプライト(キャラクター)を動かすプログラミングから入る子や、視覚的なデザインから入る子がいて、それぞれ得意なところが違う子どもたちに受け入れられる入り口の広さを感じました。
申し込み時点で参加者のリストを見ると、年齢が5〜10歳という幅があったので、どの子にも楽しんでもらえるか正直言うと不安でした。しかし、実際にはそんな心配をする必要もなく、子どもたちはみんな集中して楽しそうな様子でした。
そんな様子を見ながら、優れた教材と子どもが楽しめる環境を調えることの大切さを改めて感じました。大人が何か教え込んだり引っ張っていこうとしても、子どもたちの学びが深まるわけではありません。優れた教材は自分から対象に働きかけたくなる力をもっています。
環境を調えれば、働きかけにたいする反応を感じやすくなり、さらに活動にのめり込んでいきます。遊びを通して学ぶことの力を目の当たりにしました。
このワークショップ、またすぐにどこかでやってみたい、多くの子どもに楽しんでもらいたいです。
参加いただいた皆さま、ありがとうございました!
【会場ご協力】
株式会社スピードリンクジャパン様
【書籍情報】
『SPY×FAMILYワークブック アーニャとはじめてのプログラミング』(集英社)
発売日:2024年3月26日
読者対象年齢:年長〜小学校中学年
URL:https://kids.shueisha.co.jp/