〜生徒たちの未来を拓く、STEAM教育の未来を共に創りたい〜
みなさん、こんにちは!みんなのコードの千石です。私はみんなのコードで主に中学・技術科の教材やカリキュラム開発、そして先生方に向けての研修などを担当しています。元々は、東京都の中学校で技術・家庭科技術分野の教員として11年間勤務していました。
今回は、自分のことについて書いていきたいと思います。私は、みんなのコードに2020年の4月に入社しました。そこからあっという間の4年半でした。そんなことを振り返りつつ、これまでを通して、みんなのコードのことや、今年から取り組んでいる「アラムコSTEAMチャレンジ」のことについて知っていただけたら嬉しいです。
ゲームをするために必死にコードを覚えた幼少期
テクノロジーとの出会いは、小学校に入るか入らないかくらいの時に遡ります。自動車会社のエンジニアをしていた父が、NECの家庭用コンピューターを購入してきて、「これはなんだ!」と興味を持ちました。よく仕組みはわからないけど、アルファベットを打ち込めばゲームができるというのがとにかく面白くて、ゲームをやるために必死に頑張ってコードを覚えました。
当時から新しいことが好きで、好奇心旺盛でした。機械やテクノロジー、コンピューターがそばにある、触れることができる生活であったなと感じています。
大学に行こうと思った時、各教科の点数だけ見れば文系が良かった時期もありましたが、コンピューターがどんどん生活に浸透し始めていたこともあり、将来はコンピューター系の仕事か機械のエンジニアがいいなと理系の学部への進学を決め、ロボットの研究や制作、制御などを大学、大学院で学びました。
わかりやすく 届ける再挑戦
4年制の大学を卒業した後、民間企業で2年間働いたのですが、院卒でないと開発の深いところに関われないという現状を肌で感じて、大学院に戻りました。
大学院在学中に教員免許も取得しました。実は、親戚を含め教員一家だったので、幼い頃から教職には魅力を感じていました。いつか教員になれればとも思っていたのですが、大学院卒業後の進路を考えたとき、企業の内定を先にもらったこともあり、エンジニアとして2度目の民間企業への就職をしました。
それから5年くらいたった頃、東京都が民間企業経験者の教員採用試験を始めたのを知りました。当時は団塊の世代の大量退職に伴い、教員を増やす必要があった時期でした。
なんとなく惹かれるものがあり試験を受けたところ、合格し、驚きつつ家族に「やっぱり教師になりたい」と相談してみました。その時妻が背中を押してくれたこともあり、30歳過ぎてから、学校の教員として再スタートを切ることになりました。
その後、中学校の技術科教員として多くの生徒と関わりながら、教科研究の機会にも恵まれた教員生活を送りました。また、それまでの教員としての実績やご縁が重なり、2020年の学習指導要領改訂に際して、東京書籍さんと共に教科書を作成する機会もいただきました。
技術科教員としての日々は、目まぐるしく変化する情報化社会の中で、新しい知識や技術をいかにわかりやすく教えるかを考え、実践し続ける日々でした。
みんなのコードとの出会いと新しいチャレンジ
充実した教員生活を送っていたのですが、ここで私に転機が訪れました。
それは、東京書籍さんで教科書を作っていた時に、みんなのコードが作った教材「プログル技術」に出会ったことです。教材自体はプロトタイプだったので、良い・悪いがまだ判断できるものではありませんでした。ただ、技術の授業で新しく始まるD(2)ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミングによる問題の解決の内容で、ちょうどこの単元をどうやって生徒に教えようかと悩んでいたところでした。率直に、この教材を使えばわかりやすく教えられそうだなと感じました。
その後、みんなのコード代表の利根川とお話しする機会があり、熱烈に「みんなのコードで、一緒に中学校技術を変えていこう!」と誘っていただきました。しかし、私は教員として指導することや、教材を作成すること、現場で生徒と関わっていくことにとても楽しさを感じていたので、転職するかどうかはかなり悩みました。
最後の決め手になったのは、利根川の言葉でした。
「いまのみんなのコードでは教材を作ることはできますが、先生たちが本当に必要としているものを十分に提供できていないと感じているんです。千石さんが一番わかっていると思いますが、先生たちは指導計画がないと授業を進めることができません。また、子どもたちに授業を行うためには、授業スライドやワークシートなどの教材も必要です。教材そのものだけでなく、先生たちがプログラミングをより教えやすくなるような環境を一緒に整えていける方一緒にやっていきたいと思っているので、ぜひ手伝って欲しい」
というお話でした。そして2020年の4月にみんなのコードに入りました。
アラムコSTEAMチャレンジにかける思い
みんなのコードに入ってからは、先生たちを支えるような教材や、学校や自治体と共同でカリキュラム開発などを行ってます。
日本の教育現場には、潤沢な予算がついているわけではありません。1人1台GIGA端末が配られましたが、実際にプログラミングを体験できているかという観点では遅れていると感じています。
私は、中学生の原体験として、課題解決するためのプログラミング学習が必要だと感じています。
今年から始まったアラムコSTEAMチャレンジでは、公立の中学校・高等学校を中心にSTEAM教育の普及・拡大を目指しています。この取り組みでは、全国5,000人の中高生に無償でハードウェア教材(STEAM教材)を提供し、実践的な学習を通じて課題解決スキルを育成します。
この挑戦により、たくさんの学校や先生方と関わって進めています。始める時には本当に応募があるのかなど心配な部分もありましたが、49校の学校から応募があり、41校が採択されました。これだけ多くの熱意のある授業をしたいという先生方に届けることができてよかったです。
アラムコSTEAMチャレンジでは、みんなのコードは、あくまで裏方です。現場の先生方がこういう授業がしたかったけれど困っている、というところをうまく支援していく役割にあります。
アラムコSTEAMチャレンジを通して、全国で行われる授業を見させていただきながら、どんなことをすれば、もっといいものになるのか、ぜひたくさんの先生方と意見交換していきたいと思っています。いい実践をその先生のものだけにせず、いい授業を広めていけるような取り組みにして、世の中に情報テクノロジー教育をもっと広げていきたいです。
今回ご支援いただいたアラムコ・アジア・ジャパン株式会社は、サウジアラビアの総合エネルギー・化学企業アラムコの日本現地法人です。
アラムコ・アジア・ジャパン:Where Energy is Opportunity |
アラムコ・ジャパン (aramco.com)