特定非営利活動法人みんなのコード
代表理事 利根川裕太
みんなのコードは、「誰もがテクノロジーを創造的に楽しむ国にする」をビジョンに掲げ、2015年の団体設立以来、小学校・中学校・高等学校及び地域において、プログラミング教育を中心に情報教育の発展に向け活動してきました。
私たちがビジョンを実現するために大事にしている問いは、果たして「誰も」に届けられているか、ということです。私たちは、この問いをもとにさまざまな格差を埋める取り組みを行っていますが、特にテクノロジー分野においては大きなジェンダーギャップが認められるため、みんなのコードでは、重点的な取り組み事項としています。
以下に、テクノロジー分野におけるジェンダーギャップの解消に向けて、私たちが大切にしているアクションと考え方を示します。
1.情報教育に関わるアクション
私たちは、全国の学校現場、先生方、教育行政、学識経験者、企業、地域の方々と共に、未来の日本の情報教育を創る存在でありたいと考えていますが、社内外において、テクノロジー分野及び情報教育を取り巻くステークホルダーが男性に偏っていることを認識しています。
社内においては、プロダクト開発におけるアイディエーション及びマーケティング段階におけるジェンダーバランスを改善しています。社外においては、政策に関する各種調査・会議においてジェンダーギャップが認められる場合は、その課題を共有できるよう具体的なアクションをはかっております。
【取り組み】
- プロダクト開発プロセスにおけるジェンダーバランスの改善
- 小学校向け授業教材「秘密の手紙コース」「CSお絵描きコース」の開発
- 経済産業省「デジタル関連部活支援の在り方に関する検討会」にて、運営・審査員等関係者におけるジェンダーバランスを考慮したい旨を言及
- 2022年6月に発表した「日本国内の大学における情報系学部・学科の実態調査」の中で情報系学部における女子比率が減少していることを課題提起
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2. 学校教育に関わるアクション
私たちは、プログラミングを含む情報教育において女性教員の積極的な参画を促進し、最終的には、学校教育における「ITや理系は男性が選択するもの」といった無意識の思い込みやジェンダーギャップの解消を目指しています。
女性教員が自信を持ってプログラミング教育に取り組める環境をつくることで、性別問わず多くの子どもがテクノロジーに興味を持つきっかけを作ることができると考えています。また、思いを同じくする女性教員同士がつながり、プログラミングを教えることへの不安や疑問を共有しながら取り組めるコミュニティづくりをサポートします。
【取り組み】
- 2021年度より小学校女性教員向けプログラミング教育の養成プログラムを提供
- 2023年9月より、日本女子大学附属中学校がテクノロジー分野で社会に貢献する力を培うカリキュラムを開発
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3. 子どもの居場所事業に関わるアクション
私たちは、10代の子どもたちが無料で最先端のテクノロジーに触れられる子どもの居場所を運営しています。これらの施設はどなたにでもご利用いただけますが、利用者のジェンダーバランスから必要だと判断した場合、女子及びジェンダーマイノリティに届けるための取り組みを実施します。
これにより、一時的に対象者以外の子どもたちの施設利用が制限される場合がありますが、すべての児童・生徒がプログラミングやテクノロジーに触れ、楽しみ、自分の可能性を広げられる環境の整備、公平な機会の提供に取り組んでまいります。何卒ご理解いただけますと幸いです。
【取り組み】
- ガールズデーの開催|コンピュータクラブハウス加賀
- 女の子が利用しやすい環境づくり(生理用品の設置)|ミミミラボ、コンピュータクラブハウス加賀
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4. 登壇ポリシー
登壇に際しては、私たちが主催する場合にジェンダーバランスを留意するだけでなく、招待いただいた機会についても、ジェンダーバランスに課題があるものは主催者に改善されるよう依頼し、必要あれば他の候補者の推薦を行っております。
5. 組織づくり
私たちは、2018年に作成したバリューのひとつに「多様性を強みに」を掲げ、働くメンバーの属性や年齢のダイバーシティを配慮しながら組織を拡大してきました。組織の意思決定における女性比率は下表に示すとおりであり、継続して取り組む必要があります。
【組織における女性比率】
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | |
理事・監事 | 0% | 0% | 0% | 0% |
経営チーム | 25% | 25% | 75% | 66% |
全職員 | 21% | 37% | 50% | 49% |
加えて、各職種におけるジェンダーバランスにも課題があることを認識した上で、2023年に、多様性に関するバリューを「気づきに行こう」にアップデートしました。組織の多様性を認識することから一歩進め、私たちが見落としている多様な視点を取り入れ、事業を通じて社会に届けることを目指したいという思いからです。
ビジョンに掲げる「誰も」に届けるアクションができているか、自分たちから気づきに行ける組織づくりに注力します。
【取り組み】
- アンコンシャス・バイアス研修の実施
- バリューのアップデート
- D&I AWARD 2023において「スタンダード」認定を取得
- D&I推進レポート発表
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みんなのコードは、ジェンダーギャップの解消に向けた取り組みを続け、テクノロジー分野における多様性を向上することで、子どもにとってより良い未来を築くことに貢献してまいります。
私たちの活動に関心を持っていただいた皆様のご支援やご協力を心よりお願い申し上げます。
以上
最終更新日 2024年3月26日