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みんなのコードマガジン

活動レポートをお届けするウェブマガジン

2020年度オンライン職業インタビューを全国5校の中学校で実施しました

 2020年3月、新型コロナウイルス感染拡大の影響で全国一斉休校が始まり、みんなのコードが全国の学校にて実施予定だった各種ワークショップも中止にせざるを得ない状況となりました。6月を迎えると、学校の授業は再開されたものの、授業の遅れを取り戻すため、体験学習や学校行事などが少なくなる学校が多く、通常であれば中学2年生で行われる「職場体験」は、感染予防の観点か、ほとんどの学校で中止や延期の決定がなされました。

 義務教育段階で実施される「職場体験」の必要性について、文部科学省は以下のように位置づけています。
 “職場体験には、生徒が直接働く人と接することにより、また、実際的な知識や技術・技能に触れることを通して、学ぶことの意義や働くことの意義を理解し、生きることの尊さを実感させることが求められています。また、生徒が主体的に進路を選択決定する態度や意志、意欲など培うことのできる教育活動として、重要な意味を持っています。”
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/05010502/026/001/001.htmより一部抜粋)

 私たちも、全国の先生方から中止・延期のお話を伺って、改めて職場体験の大切さを感じたとともに、これを機に私たちのノウハウを活用し、中学校段階でのキャリア教育をバージョンアップすることができるのではないか、と考えました。そこで、全国の学校と企業に対して「オンライン職業インタビュー」への参加をよびかけました。その結果、2021年度は、以下のIT/クリエイティブ系・外資系企業や個人の方にご協力いただくことになりました。

  • キラメックス株式会社
  • グーグル合同会社
  • 株式会社セールスフォース・ドットコム
  • Supershipグループ(Supershipホールディングス株式会社、Supership株式会社、DATUM STUDIO株式会社)
  • ゲームクリエイター:南治 一徳さん(株式会社ビサイド代表取締役社長)
  • コンテンツクリエイター:IIyouthプロデューサー・마쮸(まじゅ)さん

 また、上記の皆様によるご協力の元、以下の5つの中学校にて「オンライン職業インタビュー」を届けることができました。

  • 加賀市立山代中学校(石川県)
  • さいたま市立本太中学校(埼玉県)
  • 御殿場市立富士岡中学校(静岡県)
  • 知立市立知立中学校(愛知県)
  • 有田川町立金屋中学校(和歌山県)

 今回、オンライン職業インタビューに参加してくださった生徒・先生、協力いただいた企業の方々からの生の声をご紹介します。

〜生徒の声〜

  • エンジニアは、一人で黙々と仕事をやっているイメージがありましたが、他の人とコミュニケーションを取る必要があると聞いたので、もっと積極的に話そうと思いました。
  • 人を喜ばせる仕事ができてすごいと思いました。
  • (働くということは)自分のために、さらに他人のためにということを感じました。
  • このお話を機に、仕事に対して自分から知ろうとしていこうと思いました。
  • どんな職業でも、仕事を楽しむには「好き」という気持ちが大切なのだと思いました。
  • 顔も名前も知らない人のために、自信を持ってこの仕事が好きだといって働くことができるのは、素敵なことだと思いました。
  • どの仕事もすべて人と関わる人に影響できる仕事で、かっこいいなと思いました。
  • 今日の話を聞いて、私もこれから好きなことや得意なことを広げていけるようになりたいです。そして、新しいことに挑戦するために、どんな仕事があるのかな?どんなことができるかな?ということを常に考えて行動したいです。
  • 失敗したとしても、それはどこかでつながっているような気がするので、失敗を恐れずに楽しみたいと思います。
  • 続ける力があれば夢を現実にすることができると考えが変わりました。憧れの職業 でもお金をもらうことは難しいという厳しさも学べました。

〜先生の声〜

  • 最近は、将来つきたい職業にプログラマーやIT関係と答える生徒が多くなってきています。今回のオンラインインタビューでは、そのように漠然と興味を持っている生徒に対して、職種ごとの違いや具体的な仕事内容などを分かりやすく話していただき非常に良かったと思います。
  • 質疑応答で生徒の質問に対し、本音を交えて話していただけたのがとても良かったです。「仕事は思ってるより楽だった」という言葉に、衝撃を受けている生徒もいました。
  • 普段ならば遠方で来校していただけないような方にお話を聞けて、貴重な体験ができました。生徒達にとっては身近ではない仕事内容でしたが、わかりやすく説明していただき、終わった後に興味を持つ生徒が多かったです。
  • 転職経験のある方や新卒代表など、異なる経歴のお2人をお招きできてよかったです。家族や学校の先生以外の大人の方から進路決定のお話を聞けて、生徒たちも新鮮な様子でした。実際に(WEBサイトの)マイページの裏側の説明をしてくださった後半部分が、とても面白かったという意見もありました。
  • 人生を豊かにするために仕事をしているという話が、とても印象に残りました。自分もそう思える仕事に就きたいと感じた生徒も多くいました。また、スライドの構成やまとめがわかりやすく、生徒もメモをとりやすい形になっていたと思います。
  • オンラインでどれだけ集中できるのか、心配も多少ありましたが、生徒たちは本当に集中して取り組んでいました。大人が心配したほど生徒はリモートで交流するということに違和感はなく、スムーズだったことに職員のほうが驚いていました。これからの時代、このような形態に慣れることは学生としてばかりでなく社会人になっても必要だろうと思うし、また、いつもと違うことにも落ち着いて取り組めるようになった生徒たちの成長を実感することもでき、今回このような機会をいただけたことに本当に感謝しております。生徒たちばかりでなく、職員側もこのような取り組みを体験することができ、大変ためになりました。

〜ご協力いただいた企業の方々からの声〜

  • 中学生からの質問やリアクションも予想以上で嬉しかったのと、良い意味でエンジニアに対するイメージが変わったのではないかなと思います。
  • われわれにとっても大変良い機会となりました。次年度以降もぜひこのようなCSR活動を継続して行っていきたいと思います。
  • 将来何をやりたいか考えるときに思い出してもらえるような会になっていたらよいなと思います。私自身も仕事の目的とやりがいを振り返る、良い機会となりました。
  • 中学生の質問がすごく本質的で考えさせられる場面がありました。自身の仕事だけでなくしっかり業界全体についても常に考えながら仕事しないといけないなと気づきました。

 2020年度は、みんなのコードにとっても、学校にとっても、初めての本格的なオンラインイベントの運営とあって、回線トラブルや進行に試行錯誤しながらの挑戦でした。多くの企業や学校の先生と共に形にすることができ、改めてこの場をお借りして関係者の皆様にお礼申し上げます。2021年度以降、さらに多くの学校において、「新しいキャリア教育」の選択肢の1つとして、「オンライン職業インタビュー」が導入されるよう、企画・運営ともに磨きをかけてまいります。

 改めて、2021年度に本企画に賛同し参加を希望される学校、企業の方がいらっしゃいましたら、お気軽にみんなのコードまでお問い合わせください。

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