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子どものデジタルものづくり拠点「ミミミラボ」で得た“変化” 〜金沢の大学生メンター3名からみた景色〜(前編)

今回はミミミラボのメンターについてインタビューを前編・後編でお届けします。

「ミミミラボ」は石川県金沢市にあります。2021年7月から三谷産業株式会社とみんなのコードが運営しているクリエイティブハブです。クリエイティブハブは、「デジタルものづくり拠点」をキーワードに、10代の子どもたちが気軽に、安全にテクノロジーに触れられる場です。

ミミミラボでは、約10名ほどの大学生がメンターとして子どもたちと関わりながら、それぞれの得意分野を生かした活動をしています。子どもたちと関わる前と後で、何が変わったのか。どんな経験が、将来やキャリアにつながったのか。そして、ミミミラボは、大学生メンターにとってどんな場所だったのか。

そのリアルを知るために、ミミミラボでメンターを経験した大学生3人に話を聞きました。
今回お話を聞いたのは、当時、金沢美術工芸大学・金沢工業大学・金沢大学の3名。それぞれ異なる専門やバックグラウンドを持ちながら、子どもたちと向き合ってきました。
テクノロジーやものづくりの強みを、誰かのために発揮したい ー そんな想いを持つ方に、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです。

ミミミラボとの出会いと、メンターを始めた理由

― なぜミミミラボでメンターをやってみようと思ったのですか?

金森さん

現館長の吉川さんが大学の先輩で、ミミミラボのメンターに誘っていただきました。見学に行ったときに、驚きました。パソコンがたくさんあって、3Dプリンタやレーザーカッターまである。私が子どもの頃に通っていた児童館にはなかったものばかりで、「すごい場所だな」と感じました

二瓶さん

知人の紹介でミミミラボを知りました。もともと子どもが好きで、幼稚園のボランティアに参加していたこともあり、「ミミミラボに関わってみたい」と思ったのがきっかけです。
実際に施設を見たときは、大学でもなかなか触れない機材がそろっていて、それを子どもたちが自由に使えることに感動しました。純粋に「楽しそう!」という印象でした。

高橋さん

たまたま参加していた「実践インターンシップ」という説明会で、ミミミラボで当時メンターとして務めていた方のお話を聞いたのがきっかけです。いろいろな機材を自由に使えると聞いて、「私が通いたい!」と思いました。特にイラストが好きなので、ペンタブが使えるのは魅力的でした。

想像と違った?子どもたちと関わってみて気づいたこと

― 実際に、印象と違ったことはありましたか?

金森さん

最初は「子どもとどう関わればいいんだろう」と悩みました。
先生のように接するべきなのか、それとももっとフランクでいいのか、その距離感が難しかったですね。

二瓶さん

僕たちメンターの立場だと「ミミミラボにはいろんな機材があるのだから、何かを作り出したり、いろんなものに挑戦したりしてほしい」と、大人のエゴが出てしまうことがあって。
でも、いろんな子どもたちと接する中で、ミミミラボは“ここしかない居場所”として来ている子も多いと気づきました。

高橋さん

デジタル機材を使う場所という印象が強かったのですが、実際はそれだけではないと実感しました。パソコンを使っている子もいるけれども、ゆっくり過ごしている子がいたり、友だちと集まる場としてお喋りしていたり。メンターはパソコンの使い方を教えるだけでなく、そばにいてあげることも大切な役割だと思いました。
例えば、他のメンターさんや子どもたちと絵しりとりで盛り上がったことがありました。特別なことではないんですが、そういう時間を一緒に過ごせたことが嬉しかったですね。

メンター経験を通して生まれた、自分自身の変化

― メンター経験を通して、自分自身にどんな変化がありましたか?

金森さん

「自分のアイデアを言っていいんだ」と思えるようになったことです。
以前、入退館のシステムで、子どもたちがカードを壁にバラバラに貼ってしまうことがあり翌日カードを探すのが大変…という状況がありました。
それを見ていて、「あいうえお順に並べればいいのではないか?」と提案したところ、受け入れてもらえて改善することができました。

あとは、私自身がアイドルオタクで、お絵描きチェキをする文化があるのですが、その文化がとても好きで「チェキにお絵描きする文化をはミミミラボでもやろうよ!」と熱い想いを伝えたところ、導入してもらえたのも嬉しかったですね。

館長や周りの人も、やさしくて提案しやすい環境だったので、成功体験を積むことができて大きな自信になりました。

二瓶さん

子どもたちとの関わり方が変わりましたね。
子どもたちを観察していると、仲が良い子たち、距離を置いている子たち、トランプとかパズルゲームに熱中している子たちなど、いろんな子がいます。

メンターとして、どうやって子どもたちに楽しんでもらえるか?を試行錯誤して、自分が真っ先に楽しみながら取り組むことや、子どもたちから「何それ面白そう」と反応もらえるような仕掛けを作るなど、自分の行動から変える工夫をするようになりました。

高橋さん

一人ひとり関わり方が違うということです。
同じように接すればいいわけではなくて、その子に合わせて距離感や関わり方を変えていく必要がある。その分、関係ができたときの嬉しさも大きいと感じました。

メンター経験が広げた、価値観とキャリアの選択肢

― ミミミラボでのメンター経験は、将来やキャリアにどうつながっていますか?

金森さん

美大だけで生活してると、価値観の近い人とだけ関わることになり、自分が偏っていくのが少し違和感があったので、そのバランスを保ってくれる場所がミミミラボでした。
ミミミラボは、年齢もバラバラで、小学生から高校生までいるし、他のメンターも美術系や工学系など様々な大学から来ているので、いろいろな人と関わることで自分の価値観を広げることができました。

一つのコミュニティに偏らずにバランスの良い価値観を持てる人になれた気がします!

二瓶さん

まず、与えてもらったものを次の世代に倍の倍くらいにして渡していきたいと考えるようになりました。僕自身、先輩や周りの大人の人たちからたくさんよくしてもらい、学びをいただいたので、ミミミラボでの経験を通して、次は僕もそれを繋げていける人間になれたらいいなと思っています。

もう一つ、現在僕はIT企業でエンジニアとしてスマホゲームなどの開発に関わっているのですが、ミミミラボで交流した子どもたちの行動や考え方、反応はとても勉強になりました。子どもって何が面白いんだっけ?何が楽しいんだっけ?何をしでかすんだっけ?という感覚が、子どもの頃の僕自身から主観で見るものと、大人になってから見たものとは違ったんですね。そういう感覚はずっと覚えておきたいですし、いつかゲーム開発にも活かしていきたいと思っています。

高橋さん

ミミミラボでの子どもたちとの関わりの中で、就職活動の方向性も決めることができました。私は主導するよりも、誰かを支える方が向いていると思っているのですが、ミミミラボでの経験で、周りの人がちょっと過ごしやすくなる空間を作ることが好きだということに改めて気づきました。総務課を志望することができたのも、子どもたちと過ごしてきた経験があったからかなと思っています。


3人の話に共通していたのは、「正解のない中で、自分なりに考えて動く経験ができる」という点でした。

  • 人と関わる中で成長したい
  • 自分の強みや向いていることを見つけたい
  • 大学の外でも、新しいコミュニティに出会いたい

そんな方にとって、ミミミラボでのメンター経験は、一つの選択肢になるかもしれません。

では、そんな大学生メンター3人と関わってきた子どもたちには、どんな変化が生まれたのでしょうか。
次の記事では、ミミミラボを通して見えてきた「子どもたちのリアルな姿」や「この場所が持つ意味」について、さらに深く掘り下げていきます。

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