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「教育課程・授業時数特例校制度で取り組む特色ある情報・テクノロジー教育事例について」報告書を発表

プレスリリース

 全国で情報・テクノロジー教育の普及活動を推進する、特定非営利活動法人みんなのコード(東京都港区、代表理事:利根川 裕太、以下みんなのコード)は、「教育課程・授業時数特例校制度で取り組む特色ある情報・テクノロジー教育事例について」の報告書を発表しました。
 本報告書は、自治体や学校長が教育課程特例校・授業時数特例校制度の仕組みを活用し、地域や学校の資源を活用しながらプログラミングを含む情報教育の充実・発展に取り組む選択の参考情報となることを目指し、作成したものです。
 本プロジェクトは、株式会社セールスフォース・ジャパンの若者の教育支援を目的とした助成により実施しました。
URL:https://onl.sc/bPstgtX

【教育課程特例校・授業時数特例校制度について】

 各学校が創意工夫を加え、学校の特色を生かした教育課程を編成するに当たり、学習指導要領によらない特別の教育課程の編成を認める仕組みの一つとして、教育課程特例校、授業時数特例校があります。*1
*1: https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokureikou/index.htm

【教育課程特例校・授業時数特例校制度を活かして情報教育の充実】

 教育課程特例校・授業時数特例校のいずれかを活用することで情報教育を充実させることができます。例えば、教育課程特例校制度を活用し、情報、プログラミングやコンピュータ関連の取り組みを行っている学校は70校程度あり*2、プログラミング科、コンピュータ科、情報・技術科、メディア・コミュニケーションといった、新教科を創設しています。なかには、みんなのコードが2021年度から支援していた、栃木県那須町の教科「NAiSU(ナイス)タイム」も含まれます。栃木県那須町は、プログラミング・人間関係・防災教育を学ぶ、全国でもユニークな教科「NAiSUタイム」を全町立小中学校に設置し、プログラミング教育にも積極的に取り組んできました。
 また、授業時数特例校に指定されている学校の約69%にあたる53校が「情報活用能力の育成」を目指すために授業時数特例校制度を活用しており、2022年度の16校から約3.3倍に増えています。*3
 実際に制度を活用している東大和市立第八小学校、戸田市立戸田東中学校のように「生活科」「総合的な学習の時間」の時数を増加させる例がほとんどですが、中学技術分野の時間数を増加させている例もあります。

*2: 教育課程特例校一覧表の「新設教科等」に記載されている情報から、情報、プログラミングやコンピュータ関連の取り組みを行っていると推察される学校を選定した。
*3: 授業時数特例校一覧表の「育成する教科等横断的な資質・能力、充実する探究的な学習活動」に「情報活用能力」が含まれている学校数。

【関係者のみなさまからのメッセージ】

●東大和市立第八小学校 吉行 一敏 校長

 GIGAスクール構想の波に乗り、学校教育の新しい未来を模索し、授業時数特例校に申請しました。私たちの主要な狙いは「教師を変えること」です。この変革の前段には、児童の情報活用能力強化と、児童の学習意識を受け身から主体へと転換させる必要性を感じていました。1年間の取り組みを経て、教師の意識、そして児童の学びの様子に大きな変化が見られました。当初、国語の時数が15時間削減されることへ保護者からの不安の声がありましたが、今では私たちの情報活用能力の育成に向けた取り組みを熱心に応援してくれるようになりました。この成功体験から、授業時数特例校の制度は教師の変革を促し、その結果、学校全体の成長をもたらす可能性を秘めていると確信しています。私たちは、他の学校もこの革命的な取り組みを試して欲しいと願っています。

●戸田市立戸田東中学校 鈴木 研二 校長

 令和元年度から3年度にかけて、グローバル社会で活躍する児童生徒の育成を目的とし、PBLの推進を行ってきました。このPBLの中で、教科横断的な視点での学びや、GIGAスクール構想に沿ったタブレット端末の活用を通じて、生徒の情報活用能力が大きく向上しました。保護者の方々にも、授業参観やSNSを通じて最先端の教育内容を共有し、多くの好評を頂戴しております。さらに、校長を筆頭に教職員全員で熟議を重ね、生徒の10年後、20年後の未来社会を見据える生徒像や学校のビジョンを明確にしました。このような取り組みの下、授業時数特例校制度を有効に活用し、生徒がグローバルなスキルと高い学力を習得する環境が整備されました。

●みんなのコード 未来の学び探究部 福田 晴一

 「教育DX」の流れの中、多くの校長や教育委員会が具体的な変革に取り組む難しさを感じていることを認識しています。現代の教育課題を解決するため、伝統的なカリキュラムの見直しを求めます。学校教育法をもとに、校長の役割と責任を再評価することが必要です。本報告書では、「授業時数特例校」や「教育課程特例校」といった取り組みを通じての実践例を紹介します。学校の変革が子どもたちの未来を変える鍵です。校長のリーダーシップと教育委員会の戦略的アプローチを通じて、「教育DX」の新たなビジョンを築き上げていきましょう。

【本件に関する報道関係者からのお問合せ先】

特定非営利活動法人みんなのコード Code for Everyone
広報担当:浜田
メール: pr@code.or.jp
代表電話: 03-4595-0150