みんなのコードと宮城教育大学附属小学校、
国内初「コンピュータサイエンス教育」のカリキュラム開発に向けて実証研究をスタート
– 地方・経済格差を是正し、デジタル社会を生き抜く子どもたちの育成を目指し、公教育向けモデルケースを作成 –
NPO法人みんなのコード(東京都渋谷区、代表理事:利根川 裕太、以下みんなのコード)と国立大学法人宮城教育大学附属小学校(宮城県仙台市、校長:西城 潔、以下宮城教育大附属小)は、「コンピュータサイエンス(CS)教育」の授業の実践・研究・カリキュラム開発を行う実証研究プロジェクトを開始することに合意しましたので発表いたします。
本プロジェクトでは、「デジタル社会をどう生きるか」を自分自身の言葉で語れ、「地方でも地方だからこそコンピュータでより豊かな生活を送れる」ということを実感できる子どもたちの育成を目指し、公教育における「コンピュータサイエンス教育」のモデルケースの作成を進めて参ります。
本プロジェクトの実施にあたっては、子ども・若者の未来を支援する日本財団(東京都港区、会長:笹川 陽平)に、「公教育におけるプログラミング教育必修化の定着と発展をとおした地域格差の是正」プロジェクトとして、助成いただいています。
みんなのコードは、「全ての子どもたちがデジタルの価値創造者となる」をミッションに、公教育におけるプログラミング教育の普及に向け、全国で幅広い支援を実施しております。また、近年はプログラミング教育にとどまらず、情報教育やコンピュータサイエンス教育のあり方を実践しています。
宮城教育大附属小は、東北唯一の国立系教員養成大学であり、全国に多くの教員を輩出してきた宮城教育大学の附属研究機関です。近年では、「コンピュータ・サイエンスの時間」を設置し、コンピュータについての理解や機器操作を扱う授業を実践するなど、先進的かつ実践的な情報教育を研究・実施しております。
■プロジェクト開始の背景と今後の展望
今後、日本では、Society5.0と呼ばれるICTやIoTなどのデジタル革新により「社会のありよう」や社会が抱えるさまざまな課題を解決しようとする未来社会の実現に向け、さまざまシーンで改革が進められていくと言われています。
学校教育においても、これらの考え方から学習指導要領の改定および、小学校でのプログラミング必須化や中学・高校でのプログラミング教育の拡充などが実施されます。
そのような中で、みんなのコードと宮城教育大附属小では、「これからの未来社会では子どもたちがテクノロジーの消費者でなく創造者になることが必要」という考えの元、先進的な海外事例にも触れる中で、日本の公教育おいてもプログラミング教育を含む広義的な「コンピュータサイエンス教育」の重要性を感じ、今回の実証研究を行うに至りました。
今後は、小学校だけでなく中学校も設置する宮城教育大学のメリットを活かし、小中学校の9年間で実践できる教科「コンピュータサイエンス」のモデルカリキュラムの作成も視野に活動して参ります。
加えて、2030年からの次期学習指導要領における子どもたちの情報活用能力の在り方についても、本プロジェクトでの研究結果を元に提言していきたいと考えています。
■本プロジェクトの参画メンバー
・国立大学法人宮城教育大学 技術教育講座 /同 情報活用能力育成機構 副機構長 安藤 明伸 教授
・国立大学法人宮城教育大学附属小学校 佐藤 俊宏 教頭
同CS(コンピュータサイエンス)部 上杉 泰貴 教諭、新田 佳忠 教諭
同情報部 尾形 尚子 教諭、千葉 廣 教諭、宮澤 莉奈 教諭、阿部 一矢 教諭
・特定非営利活動法人みんなのコード 代表 利根川 裕太
同学校教育支援部 講師 竹谷 正明 、千石 一朗
同パートナー事業部 畑 紗羅 、釜野 由里佳
■本実証研究の開始にあたってのプロジェクトメンバーからのコメント
●宮城教育大学 安藤 明伸 教授
宮城教育大学では、この4月からこれまでの情報処理教育を昇華する形で情報活用能力育成機構を立ち上げました。そのタイミングで附属小学校、全国でプログラミング教育をはじめとする情報教育の普及に力を注いできたみんなのコードさんと共同で未来のコンピュータサイエンス教育を研究するプロジェクトを発足できたことを非常に嬉しく思います。本プロジェクトを通じて、公教育における未来の子どもたちに必要な「コンピュータサイエンス教育」のモデルケースを作成し、多くの子どもたちが「デジタル社会をどう生きるか」を自分自身の言葉で語れる、そのような社会を目指してプロジェクトを進めて参ります。応援のほど、よろしくお願いいたします。
●宮城教育大学附属小学校 佐藤 俊宏 教頭
このたび、宮城教育大学とみんなのコードとともに、本プロジェクトを開始できることを非常に嬉しく思います。本プロジェクトのキーワードとして、ここ宮城県にある本校の地理的メリットを活かして、Society 5.0の時代に「地方でも地方だからこそコンピュータでより豊かな生活を送れる子どもたち」の育成を目指し、新たな「コンピュータサイエンス教育」のモデルケースを作成して参ります。全国の学校教育で実践していただけるケースを作成できるよう、一丸となってプロジェクトを進めて参ります。
●特定非営利活動法人みんなのコード 代表 利根川 裕太
みんなのコードは、これまで全国40都道府県において教育委員会等の皆さまと共に、先生方向けのプログラミング教育教員養成研修や、無償のオンライン教材の提供を行ってきました。このたび、コンピュータサイエンス(CS)教育という観点から、宮城教育大学附属小学校と共同で授業実践と調査研究に取り組むことで、プログラミング教育の先のステップとして、日本初のコンピュータサイエンス教育のカリキュラムの開発にチャレンジします。本研究を通して、人とテクノロジーが協働する時代に、子どもたちにとってのコンピュータサイエンスの学びのあり方を模索し、日本全国の公教育に還元できるか、熱意を持ったチームで取り組んでいきたいと思っております。
みんなのコードは、「全ての子どもたちがデジタルの価値創造者となる」をミッションに、プログラミング教材「プログル」や、先生向けプログラミング教育の実践事例集「プロカリ」の提供、プログラミング教育を担う先生方向けの「プログラミング教育明日会議」「プログラミング指導教員養成塾」の開催など、幅広い取り組みを行っております。
・団体名:特定非営利活動法人みんなのコード
・代表:代表理事 利根川 裕太
・設立:2015年7月
以上