みなさん、こんにちは。未来の学び探究部・政策提言部 部長の田嶋です。
みんなのコードでは、年2回程度、全国から社員が集まる「全社オフサイト」を開催しています。今回は、私も企画運営側として携わったオフサイトの様子を一部お届けしたいと思います!
日々の「足りていないのではないか」を探しに行こう
みんなのコードのバリューのひとつに「気づきに行こう」があります。1月に開催された全社オフサイトでは、働く私たちが日々感じている「こんなアイデアが欲しい」「こういう知見が足りていないのではないか」というような課題感を出発点に、法人の外にヒントを探しに行くフィールドワークを実施しました。
全社オフサイトの2ヶ月前に、4〜5名ずつのグループを組成。それぞれの事業や現場が抱える課題を深く掘り下げました。その解決の糸口となりそうな場所やアクションを議論し、実際にアポイントを調整して、全社オフサイト当日にお伺いしました。
5つのグループが、どんな場所を訪れ、どのような気づきを持ち帰ってきたのか。その内容をご紹介したいと思います。
サンカクシャの若者支援の活動から、居場所運営を考えよう
A班は、NPO法人サンカクシャを訪問し、荒井佑介代表理事にお話を伺いました。

みんなのコードが運営するクリエイティブハブは、基本的に10〜18歳の子どもたちを対象としています。クリエイティブハブの利用を終えた利用者に、「どのように社会とつながるか」「どんな働き方をするのか」などを考える機会を提供したいと思うことはありますが、どんなアプローチが良いのか悩んでいました。
サンカクシャは、身近な大人を頼れない若者に「生き抜いていくための基盤」として、「居場所づくり」「仕事」「住まい」の3つの支援に取り組んでいる団体です。私たちの受益者よりも少し年上である、15〜25歳くらいまでの若者を対象とした活動から、何かヒントが得られるのではないかと考えました。
ヒアリングを通して、
- 支援者との適切な距離感を保つ。寄り添うけれど、巻き込まれない
- 若者ファースト。正しさや理想像、既存の制度を押し付けない
- 仕事を義務や責任だけで捉えない、遊びとのバランス。若者と一緒にいる・一緒に遊ぶ
など、今後の活動にいくつもの示唆を得ることができました。
企画・ヒトを巻き込むアイデアを、UoCから見つけよう
B班は、UNIVERSITY of CREATIVITY(以下、UoC)を訪問しました。UoCは、博報堂が運営する「創造性を研究・実験・社会実装する」ための研究機関です。

「事業の枠を超えた企画力」や「人を惹きつける巻き込みのヒント」を学ぶために、担当の方からお話を伺いながら、施設を見学させていただきました。
学んだこと・気づいたこと
- 「遊び」が創造性を拓く: 幼稚園児から大人までを対象とした、多様な創造性の場として運営されているという点に感銘を受けました。
- 物理空間のこだわり: 「自然界には直線はない」という思想に基づき、あえて直線を排除した空間設計は、訪れる人の思考を柔らかくする仕掛けとして非常に有効だと感じました。
- 関係性のリデザイン:関わる方々に対して、単なるビジネスパートナーとしてではなく、創造性を軸に「繋がり直す」というアプローチは、みんなのコードが運営する子ども向けのクリエイティブハブ事業にも応用できる視点だと思いました。
今後のクリエイティブハブ拠点の活動や、コラボレーション企画などのヒントを持ち帰ることができました。UoCさんが「超領域」と解説されていた「専門性と世代を超える」繋がりを、それぞれの活動でも意識していきたいと思います。
「自由な発想」のために、石黒猛さんからデザイン思考を学ぼう
C班は、石黒猛さんのデザイン事務所を訪問し、デザイン思考を学ぶ機会を得ました。

学校教育の伴走支援でも、子ども向けのクリエイティブハブ事業の現場でも、私たちは、子どもたちに「自由な発想で」と言う場面が多々あります。しかし、私たち自身が新しい発想が広がらないこともあり、広げる方法がわかっていないのではないかという課題がありました。
そこで、プロダクト、アート、舞台演出など多岐にわたる活動を展開している石黒さんと、デザインや情報教育について意見交換することで、新たな発想のヒントがいただけるのではないかと考えました。石黒さんは、みんなのコードで働くメンバーが学生時代にデザインを学んでいた時にお世話になっていた方でもあります。
石黒さんからは
- デザイン思考の新しい可能性と課題
- 花(=美しいものをつくる)を実現させるために本当に必要な要素としての土壌作り(体感、感情、過去の体験、直感の大切さ)
- 子どもも大人もものづくりへのハードルが高い。デザイン思考的なマイルストーンをうまく活用することで、敷居を下げる事ができる(何を作ったら良いかわからない→これなら作りたい→皆で協力する→これを作りたい→結果から意味を探る)
など、様々なお話を伺いました。
訪問したメンバーからは、
- 居場所利用者である子どもたちと、リサーチのために積極的に外に出たい
- デザイン思考と教育について考えたい
- 子どもたちの成長段階に合わせた評価方法を考えたい
- 「本質を見つける方法」を考え続けたい
など、各々の活動につながる気づきが共有されました。
子どものものづくり活動への動線はどうしたら?VIVISTOP NITOBE・神南小学校
D班は、クリエイティブハブの利用者を、デジタルものづくりの活動に導く動線のアイディアを求めて、学校内に設けられた2つのFabスペースを見学しました。
最初に訪問したのは、新渡戸文化学園併設の共創空間VIVISTOP NITOBEです。

デジタル・アナログ問わずものづくりに使える機材や工具が充実しており、中・高生が探究の学習などで活用する他、放課後も居場所として解放しているとのことでした。訪問した日も多くの生徒が訪れ、制作活動や探究活動についての相談を活発にしている様子が印象的でした。生徒の自主性を尊重し、それぞれが興味・関心のあることに全力で向き合える関わり方を大切にされていました。
勝田先生にお話しを伺い、機材を揃えたり、専用の教室を用意したりするだけでは居場所として不十分であり、生徒とのコミュニケーションや雰囲気作りが必要であることに気付かされました。
次に訪問したのは、渋谷区立神南小学校です。神南小学校には、算数専科の鍋谷正尉先生が始めた「校内サードプレイス」があります。

児童が自由に使えるスペースでは、3Dプリンターやtoioなどがあり、子どもたちがものづくりの入口を体験することもできるようになっています。
当日は算数の授業を見学させていただきました。キューブを使って立方体の計算をする活動が具体と抽象を行き来しながら実施されていて、生徒がのめり込んでいる様子を見せていただきました。
2つの施設を見学させていただき、私たちが運営するクリエイティブハブでも、活動を強制しない、創造的活動と居場所の共存を目指していきたいと感じました。
異なる分野green birdの活動体験を通して考える強み・独自性
「自分たちの組織しか知らない」という内向きな視点を打破し、異なる分野のNPOの活動を通して、自組織の立ち位置を客観的に捉え直そうと、特定非営利活動法人green birdの活動に参加してきたのがE班です。

green birdは、国内60地域・海外8地域でゴミ拾いを行う、日本最大級のボランティアコミュニティです。実際に体験して感じた「参加のハードルを下げる仕組み」には、次のような特徴がありました。
- 直前予約が可能で、スキルを問わず1時間という短時間で完結する。
- 参加者同士が「程よい距離感」で交流できる工夫があり、多様な層の継続参加に繋がっている。
また、「全国にコミュニティを形成する」という点は、みんなのコードが目指す姿とも重なる部分がありました。異分野の「誰もが参加できる」モデルを体験させていただいたことで、私たちの活動の強みと独自性を考えるきっかけになりました。
オフサイトの午後は、全班が集合して、訪問した理由である課題感の共有と学びを共有しました。

初の試みだったフィールドワークですが、気づいたこと・考えさせられたことを熱く語るメンバーの姿を見て、各班が様々なヒントやアイデア、新たな問いを持ち帰ってきたことを感じました。
今回お伺いしたのは、私たちの活動に直接関わりのあるものばかりではありません。少し離れている領域だからこそ、日頃の活動を多角的に見つめ直す機会になったのではないでしょうか。
引き続き、みんなのコード内外の対話を大切にしながら、各自が得た「気づき」を日々の活動に生かしていきたいと考えています。
最後に、多忙な中、私たちの趣旨にご賛同いただき、貴重なお時間を割いてくださった皆様には、この場を借りて心より感謝申し上げます。

