お知らせ

みんなのコード「D&I推進レポート」を公開

プレスリリース

〜テクノロジー分野のジェンダーギャップとその取り組みについて〜

 特定非営利活動法人みんなのコード(神奈川県横浜市、代表理事:利根川 裕太、以下みんなのコード)は、「D&I推進レポート〜テクノロジー分野のジェンダーギャップとその取り組みについて〜」を公開しました。

 みんなのコードは、「誰もがテクノロジーを創造的に楽しむ国にする」をビジョンに掲げ、2015年の団体設立以来、小学校・中学校・高等学校及び地域において、プログラミング教育を起点に情報教育の発展に向け活動しています。

 みんなのコードは、情報教育にまつわるさまざまな格差を埋める取り組みを行っていますが、とりわけ、テクノロジー分野において大きなジェンダーギャップが認められるため、重点取り組み事項としています。2023年7月14日には「テクノロジー分野におけるジェンダーギャップの解消に関する取り組みについて」を発表しました。本資料は、課題、私たちが取り組む理由とこれまでの実践を改めてまとめたものです。

 テクノロジー分野のジェンダーギャップ解消に向けては、みんなのコードの活動だけでなく、関係各方面の協力が必要不可欠です。本資料にご賛同いただける皆様のご支援、ご協力を心よりお願い申し上げます。

みんなのコードD&I推進レポート

課題

  • テクノロジー分野における日本の状況
     世界経済フォーラムが発表した「Global Gender Gap Report 2023」によると、日本のジェンダーギャップ指数は125位であり、ジェンダー平等の観点で著しく立ち遅れています。また、 「Society 5.0の実現に向けた教育・人材育成に関する政策パッケージ」(内閣府)によると、STEM分野入学者女性比率がOECD加盟国で最下位であることから、日本において、テクノロジー分野のジェンダーのバランスに大きな課題があることが分かります。
     また、高等教育機関の理・工学分野においては、過去10年間で、理学部や工学部への進学を希望する女子学生の比率はわずかに増加している一方で、情報系分野に関心を持つ女子学生の比率は若干減少しているという傾向が見られます。*1

*1 みんなのコード「国内の大学における情報系学部・学科の実態調査」(2022)

  • 初等中等教育における児童・生徒の意識差
     みんなのコードが実施した『2022年度 プログラミング教育・高校「情報Ⅰ」実態調査』*2によると、プログラミングの学習を継続したいかどうかという設問に「これ以上に学びたいとは思わない」と回答した割合が、小中高全ての学校種において女子の方が高い結果となりました。特に、高校生女子は「これ以上に学びたいとは思わない」が全体の半数を超えました。
     また、将来プログラミング関連の職に就くことを想定しているかという設問に「あまりそう思わない」「全くそう思わない」と答えた割合も、全ての学校種において女子生徒が男子生徒を上回る結果となりました。

*2 みんなのコード「2022年度 プログラミング教育・高校「情報Ⅰ」実態調査」 

みんなのコードの取り組み

 このように、テクノロジー分野のジェンダーバランスの偏りによる課題が認識される中、私たちは、社内にも課題が存在することに気づき、自分たちの在り方に大きな疑問を持ちました。

 これを受け、みんなのコードは、事業活動(学校教育、子どもの居場所事業、情報教育全体)と組織づくりの観点から取り組みを行っています。

  • 事業活動におけるアクション
    • 小学校女性教員向けプログラミング教育の養成プログラムを提供
    • ガールズデーの開催等による子どもの居場所利用者における女子比率の改善
    • プロダクト開発プロセスにおけるジェンダーバランスの改善
    • 政策提言による課題提起
  • 組織づくりにおけるアクション
    • ビジョン、バリューのアップデート
    • 違和感を持つ・議論できる組織文化の耕し
    • 全職員に占める女性の割合が21%(2019年)から57%(2024年)へ向上

 みんなのコードは、今後も、ジェンダーギャップの解消に向けた取り組みを続け、テクノロジー分野における多様性を向上させることで、新しい価値を創出し、子どもたちにとってより良い未来を築くことに貢献してまいります。

みんなのコードからのコメント

⚫︎利根川 裕太(代表理事)コメント
 D&I推進レポートを共有することができ、とても嬉しく思っています。創業から2019年ごろまでを振り返ると、当時のみんなのコードは「男性が情報教育やプログラミングについて語るマニアックなカルチャーだった」と言われました。いま思えば、男性のみで構成されたチームが開発したサービスを、同じく男性が届ける構造が存在しており、私がその中心にいたのです。だからこそ、今回のレポートに記載されている小さな「やってみよう」という試みを積み重ねながら、私自身も学び続けています。
 子どもたちが見る景色は、私たち一社だけで変えることはできません。同じビジョンを共有する教育現場、行政、学術機関、企業と連携し、その輪を広げていくことが必要であると強く感じています。ぜひ、私たちの仲間になっていただけると嬉しいです。

⚫︎杉之原 明子(COO)コメント
 私自身、既存の景色や構造に違和感を持つまで、ずいぶん時間がかかってしまいました。インクルーシブな情報教育そして子どもの未来をつくる団体でありたい。気づきに行ける組織をつくります。

⚫︎安藤 祐介(CTO)コメント
 テクノロジーの重要性は高まっていく一方でまだまだ女性の進出が十分ではありません。指導者やロールモデルの育成、インクルーシブな教材づくりなど全面的に取り組んでいきます。

NPO法人みんなのコードについて

みんなのコードは、全国でテクノロジー教育の普及活動を推進する非営利法人です。公教育におけるテクノロジー教育拡充に向けた政策提言や学術機関と連携した実証研究、授業用プログラミング教材の開発・無償提供、プログラミング教育を担う先生方向けの各種研修の企画・開催、子どもたちが自由にテクノロジーに触れられる第三の居場所「みんなのクリエイティブハブ」の運営など、幅広い取り組みを行っています。

代表理事 :利根川 裕太
所在地:神奈川県横浜市
設立 :2015年7月
ビジョン:誰もがテクノロジーを創造的に楽しむ国にする
コーポレートサイト:https://code.or.jp/

【本件に関する報道関係者からのお問合せ先】
特定非営利活動法人みんなのコード Code for Everyone
広報担当:浜田
メール:pr@code.or.jp